超強度不同視の矯正例
岡本隆博


超強度不同視の矯正例


超強度不同視の矯正例です。

39歳 男性

主訴 : パソコン作業で目が疲れる。

現在眼鏡
R=S-5.75
L=S+-0.00・・・・(1)

5m完全矯正(両眼調節緩解テスト)
R=(1.2×S-8.00)
L=(2.0×S-0.75 C-0.50 Ax95)・・・・(2)
R1△ベイスアップ

* 光学的な斜位が介入しないように注意して
3つの方法で上斜位の定量検査をしました。

* コの字テストでの不等像視は認められませんでした。
(相当な不同視でもこういうことはよくありますが、
眼軸長が右の方が長いことが関係しているようです)

パソコン画面の距離(約50cm)に最適の度数
R=S-6.50
L=S+-0.00 C-0.50 Ax95)
R1△ベイスアップ           ・・・・(3)

近見視力表装置にある
6輪のRG視標で左右別に加入度を求めました。
近用度数としてこういう値が出るということは
右眼の方が調節力が弱いわけですが、
その理由は、日常的に右眼があまり調節をしていないからだと
考えられます。

それで、現在眼鏡では、

1)右の度数が弱すぎる(加入度数が強すぎる)ことと、

2)視線の通る位置がレンズの光学中心よりも
 1cmほど下になっているので、
 光学的なもちこみ斜位で、
 しかもけっこう強く、Rベイスダウンが負荷されてしまう

この二つの理由で具合が悪いのだと判断しました。


処方度数

上記の(3)の度数
10分ほど装用テストでパソコン画面を見て
もらいましたら、「OK」でした。


フレーム

・玉型の縦幅が狭めで、
・角膜頂点間距離(眼とレンズの距離)をせいいっぱい
短く調整できる鼻幅の広い枠で、
・レンズが薄く軽くなるもの、

という条件で、いくつか見てもらったところ
ウスカルフレームのプラグナーで、
レンズサイズ38mmで作ることにしました。

http://usukal.biz/plugner.html

フィッティングにおいては、角膜頂点間距離を10mm弱
くらいになるようにしました。

このお客様は鼻根がやや太めで盛り上がり気味でしたが
このフレームは、鼻幅が26mmあって、
パッドをかなり後ろまで移動させるにあたって、
鼻側リムが邪魔にならなかったので
VDを最短距離にするのが可能になりました。

パソコン画面を見るときに視線の高さは
玉型の天地中央よりも4mm下でしたので、
そこにおいてR1△ベイスアップとなるように
レンズの玉入れ加工をしました。

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