子供用の眼鏡の難しさ


Q. 子供用のメガネって、大人用のメガネとどう違うのでしょうか。
大人用のメガネが小さくなっただけのものではないのでしょうか。


A. いくつかの点で、大人用メガネとはデザインをちがえる必要があるのです。

子供用のメガネ選び2. 大人用メガネから悪影響が

まず感じることなのですが、
以前は大人のメガネと子供のメガネは、まったく別な分野だったように思います。

しかし最近では、
大人のメガネの世界での流行が子供のメガネにもどんどんと影響してきており、
かなり細長い感じの楕円形の玉型のものとか、
フィッティングがほとんど不可能な超弾性の腕(テンプル)だとか、
私には機能的にいまひとつ感心できないものが増えてきたということがあります。

たとえば、子供の場合は、身長の関係で、
大人よりも上向きの視線でものを見ることが多く
水平視線よりも上の方の面積がそこそこに確保されていないといけません。

そのためには、レンズの上下サイズが、最低でも27mmはほしいところで、
できれば30mmを越えるものが良いのです。
(パッドがついている位置も重要です)
そして、上下の幅が30mm未満の場合には、
フィッティングによって、レンズをなるべく目に近くもってきて、
視野の確保を図るわけです。

ただ、天地幅が深すぎると、
こんどはリム(フレームのレンズまわりのフチ)
の下部がホホに当たりがちになりますので、
単純に深い方がよいとはいえないのですが、とにかく

そういう子供独特の視界ということにも留意して
子供用枠のデザインをしていただきたい


とメーカーのかたがたにお願いしたいです。

これは大人用の枠(フレーム)に関してもいえることなのですが、
基本的に、ユーザーの顔の大きさと、
そのユーザーが必要とする視界(フレーム視野)の大きさには、
何の関係もないということがあります。
それは少し考えれば分かるでしょう。

ですから、外見的には顔の割に大きすぎると見える枠でも、視界を
確保するという機能性においては、それでよいということも
子供の場合にはけっこうあるわけです。

顔幅とPD(瞳孔間距離)の関係で言えば、子供は成人に比べて、
「顔幅の割にはPDが広い」というタイプの子は少ないのですが、
でも、たまにそういう子もいます。
その場合には、外見的に顔に合う大きさのメガネだと
側方視の場合には視界が狭すぎることになりますので、
やや大きいかな、と見える枠をお勧めすることもあります。

たとえば、子供は大人よりもPD(目と目の間の距離)が狭いですから、
当然ですが枠の鼻幅(左右のレンズの空きの間隔)は狭めでないと
いけませんので、たいていは鼻幅は14か15くらいです。
しかし、PDが広めで顔幅が広くない子が鼻幅が狭い枠で、顔の大きさに
合う枠を掛けると、目の中心が玉型の中央よりも耳側に来てしまって
外見上好ましくなくなることもあります。

もともと子供枠は玉型サイズが40〜48と、小さめなので、
視野を確保するという意味でも、PDとフレームPD(枠の左右の玉型の中央
どうしの間隔)との関係を重視すべきなのです。

そういう場合には、大人用で玉型が小さい枠、たとえば
42□19というようなサイズの枠をお勧めしたりすることもあります。


次の質問に続きます。

子供用のメガネのデザインなのですが、最近の風潮を考えて『おしゃれなフレーム』を選んだ方がよいのでしょうか
子供用の眼鏡のデザイン

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