眼鏡店の価格レベル
前のページまでで、
A.「眼鏡店のレンズの秘密」と、
B.「親切な眼鏡店のフィッテイング」
について述べてきましたが、
その他、価格政策や知名度、
技術者(眼鏡士)の年齢なども参考にはなりますが、
もっと確実な判別をするためには
「技術レベルが分かる質問」をしてみるしかありません。
「最終メーカー」という考え方
眼鏡を購入する場合に、まず大事なことは、どこの眼鏡店で買うかということです。
なぜなら、眼鏡は時計やカメラとは違って、
小売店(眼鏡店)が最終メーカーになるからです。
つまり、一番重い責任を請け負う、ということがいえます。
眼鏡を購入する、その場合に、ファッション感覚という点については、
皆様方ご自身の感覚や判断で お選びになるべきことですから、
それらに関しては私がここでどうこうと申し上げることはございません。
ところが、眼鏡作りにとって重要な
「調製技術」
(視力測定、フィッティング、商品知識などの技術)
が本当に優れているかどうかということは、
一般のかたがたでは事前にはなかなかわかりません。
(われわれでもわかりにくいものです)
たいていの店は
「当店は高度な技術で眼鏡を作っています」
と言いますが、それを額面通りに信じてよいかどうかはわかりません。
「どこの店でも、技術に関してはそんなに差はないだろう」
と思っておられるユーザーの かたも多いかもしれませんが、実際には店によって(技術者によって)かなりの差があるのです。
ではここで、
これまで長年にわたって多くの眼鏡技術者の教育に携わってきた私が、
それを 見分ける方法を、
このホームページを見ていただいたかたに、特別にお伝えいたしましょう。
<1> 知名度や店構え、価格政策
眼鏡店の知名度や店構えの立派さというものは、
技術のレベルとあまり相関関係はないと言えそうです。
有名な大型店でも、
技術的なことに関して社員全体がよく勉強しているところと、そうと は言えないところがあります。
中規模店や小規模個人店でも同様です。
また、派手に安売りをしている店と、そうでない店という比較で言えば、
それらの全体的な平均レベルということで言えば、
前者の方がやや低いと言えるかも知れませんが、
安売り宣伝をしていないから技術は大丈夫とも言い切れません。
価格訴求の宣伝をする店でもしない店でも
それぞれに技術レベルはまちまちで、
それは技術レベルの決定要素にはならないと思います。
<2> 店長や技術者の年齢
あなたの眼を測ってくれる人や
フィッティングをしてくれる人の年齢によって
その技術レベルを推測するのは難しいでしょう。
経験年数も確実性はありません。
長年やっている人でも、
低レベルの人もいますし、逆に若い人でも優秀な人もいます。
また、若いほど頭が新鮮で良いというわけでもないし、
逆に高齢者ほどハイレベルだとも言い切れません。
たとえば20代の技術者全員の平均レベルと
40代の技術者全員の平均レベルという比較をしたとして、
さあ……、これは何とも言えませんね。
ただ、経験2年の人全体と
経験10年の人全体の平均レベルを比べると
10年の方が上だろうな、という感じはします。
要するに年齢や経験年数は、
個々の人の技術レベルとは必ずしも比例しないということです。