神戸市・マイスター大学堂御中 久利将輝様


神戸市・マイスター大学堂御中 久利将輝様

                   2015.3.23 眼鏡公正広告協会 岡本隆博


貴店におかれましては、日々ますますご清栄のことと存じます。
今日は、貴店のネットサイトにおける
商品の紹介の件について、私の疑問を呈上いたします。

貴店は、ドイツの国家資格である
マイスターが経営されるメガネ店なのですから、
眼鏡のファッション性だけでなく、
機能性についても、十二分に配慮した商品を
お客様に提供することを心がけておられると思います。

それで、今回私が疑問を持った内容の商品紹介が、
最近の貴店のネットサイトに見受けられましたので
ここにお尋ねをいたします。


前置き

ある枠がある装用者にサイズの点で適合するかどうか
ということについては、普通は、顔の大きさと
枠のフロント部総横幅とのバランスで見るわけですが、
それはどちらかといえば、美的な観点からのことであり、
そういう面で適合しているかどうかは、
ユーザーの判断にゆだねてもよいのだ、ともいえます。

なぜなら、その適合性について、まったく気がつかない
人は、まずおられないでしょうし、気がついていても
あえて看過して枠を決めてしまわれる場合も
あるわけです。

しかし、サイズにおける機能的な適合度合い、
すなわち、PDとフレームPDの関係については
それに気がつかないお客様が多いので実情で、
その不釣り合いのせいで視覚的に具合が悪い
メガネになってしまうこともあるわけですから、
それについては、
われわれ専門家のアドバイスなり判断なりが
重要になってくるのではないでしょうか。

  * ちまたでは、フレームPDがPDよりも
    やや狭めの丸メガネをかけたかたを、
    ときどき見かけます。

その適合性については、
玉型サイズが十分に大きい場合は、
あまり気に留めなくてもよく、
逆に、玉型サイズが小さくなればなるほど、
フレーム視野の点で厳密性を持ってくるわけですが、
そうであることには、
貴殿もご異存はないものと思います。

それゆえに、たとえば当方が以前に設計し商品化した
玉型サイズが36mmの「シンメトリー」では、
玉型形状やサイズが同じアイテムにおいて
鼻幅を8種類用意してあるのです。

 → 
http://usukal.biz/thinmetry.html

質問

さて、貴店のネットサイトで紹介された
http://www.daigakudo.com/blog/opticals/braun14.html
(2015.3.22現在)
このフレームは、玉型サイズが34mmだそうですが、
鼻幅については書かれていません。
写真に定規をあてて測ってみますと、
鼻幅はおよそ30mmだと見て取れます。
そうすると、この枠のフレームPD(FPD)は
約64mmとなります。

玉型サイズが34でFPDが64mmの枠を、
たとえば、PD66の人がかけると、
正面から見て瞳孔中心がレンズの中央よりも
明らかに耳側に寄った感じになってしまい、
外見的にスマートではありませんし、
装用者の使用感としても、
耳側のフレーム視野がかなり狭くて、
機能性の面で望ましいとはいえない状態
になってしまいます。

装用者のフレーム視野については、玉型サイズが
小さくなるほど、PDとFPDの関係が
微妙なものとなりますが、

この34□30の枠であれば、
PDが62から64程度の人でなければ、
なんとか実用に耐えるフレーム視野でもって
この枠を使うということは無理だ
と言えるのではないでしょうか。

ところが、成人のPDは、ご存知のように
60足らずから70台まで、実にさまざまです。
PDが62〜64という人は、
いくら多く見積もっても全体の半分もいないでしょう。

ということは、
大半の人は、この枠を望ましいフレーム視野の
もとに使用するというのは無理だ
ということになるのでないでしょうか。

また、
http://www.daigakudo.com/blog/opticals/lesca24.html
(2015.2.23現在)

この枠であれば、おそらくFPDは62でしょう。
であれば、これに合うPDは、56〜62くらいです。
(これは玉型が42あって鼻幅が先にあげた枠よりも狭いので、
FPDに対するPDの適合許容範囲は少し広くなります)

しかし、PDが56〜62という人は、
PDが62〜64の人よりもさらに少なくなります。
(特に、この枠の想定需要者である男性においては、
62以下のPDの人は少ないです)

そこで質問です。

貴店のネットサイトにおける
これらの商品紹介の宣伝において、
枠の鼻幅もFPDも示されていないことの理由は、、
下記のうちの、どれなのでしょうか。

1(  )PDとFPDの関係については
     よく考えていなかった。

2(  )PDとFPDの適合性についてはわかっていた。
     この枠を目当てに来店されたかたのPDと
     枠のFPDとが、もし不適合であった場合には、
   
  2−1(  )そのことを申し上げて、それでもよいと
         おっしゃれば、その枠を販売するが、
         それならやめとくということであれば、
         ほかの枠をお勧めする。
 
  2−2(  )その不適合のことは申し上げない。
         その枠を気に入られたのであれば、
         ご本人の意思を尊重してその枠を販売する。
      
3(  )その他(                    )


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