[メール対談]   薬剤師と眼鏡士を比べてみると

              
雇われている眼鏡士は気の毒?

薬剤師A 「メガネ通販110番」で2010年の1月に公開質問の対象となった東京都や福岡県の店は、
       一つの通販店に何人もの眼鏡士が関与しているのですね。
       みな通販に賛成なのか、それとも眼鏡士は通販 なんてしたくないけれど、トップダウンで逆らえない、
       ということでしょうか。そういう勤め人眼鏡 士さんは、少しかわいそうな気もします。  

岡本     こういう店の眼鏡士は、「通販で店が儲かるのなら、自分の給料も上がるかもしれないから、それで いいワ」程度の
       認識しか持っていない人が多いと思います。  薬屋に勤めている薬剤師でも、自分は雇われている身なので、いまさら
       店主に反抗してもしかたがないし、自分の給料を上げるためにも、売り上げ第一主義でやっているという人も多いのでしょう。

薬剤師A  これは、確かにそうなんです。  特に、チェーン系の調剤薬局や、大規模でなくても店舗を複数持っていて、
       その社長が薬剤師でないような調剤薬局は悲惨でした。  その場合、店長も売り上げのノルマを課されていたりして、
       半ば必然的に、その店長がその店の薬 剤師に売り上げをあげることを露骨に要求して来ます。  
       かかりつけ薬局制は、医薬分業化をした当初の厚労省の思惑に反して実はあまりうまく機能していなくて、いまだに、
       それぞれの病院の近くの薬局で薬をもらうものだと思っている人も多いんです (__;)  
       それで、大抵の大病院の周りには何軒も薬局があるのですが、(まさに隣あわせにあったりも)、
       何も考えていない患者さんですと、ある日はA薬局で薬をもらって、次回、A薬局がちょっと混んで いたりすると
       (あるいは、自分がそもそも前回A薬局で薬をもらったことすら忘れて)すぐに近くの B薬局に浮気します。
       ですので、そういう地区の薬局は、いかに早く処理するかということが一番大切で、
       実際は薬剤師 による処方監査の目が非常に甘くなるんです。っていうか、いちいち監査していたらトロイと怒られたりもします。
       だから、薬剤師は何も考えずに、ただ機械的に処方箋の字面通りに薬を出すようになります。
       そういう薬局で働いている薬剤師は、もはや、袋詰め要員でしかないというわけです。
       実際、おそらく、一般の人の目から見た薬剤師の仕事は「調剤をしている」というよりも、「袋詰 めをしている」というように
       見えているのでは、と思います。  で、薬局もサービスしてナンボの時代らしく、「お客さん」確保のための「差別化」のために
       待合所に自由に飲める水やマッサージ器を置いたりするのも一つのサービスですけれど、他には、病院と 「仲良く」なって、
       予め病院からファックスで処方箋を流してもらえるようにうまく取りはからって もらえるような薬局になれるように、
       病院(医師)側にサービスしたりも実際にある話です。  

       そうやってファックスで送られると、その患者さんはその薬局に行かざるをえないですからね。
       それに、そうやってファックスで送られてくると、患者さんが薬局に来る前に薬を袋詰めできて、
       患者さんにすぐに手渡すことができるというシステムです。  
       これは患者さんも、待ち時間無く、早く薬を手に入れられて好都合、って思ってしまうと思いますが、
       実は、ファックスで処方箋を流して調剤するシステム、ほんとは危ないんです。  

       まず一つは、薬剤師が患者さんの会話することで防げる、他の薬との飲み合わせの不都合(今は、薬だけでなく
       色々なサプリメントを自分で飲んでいる患者さんも多いから、そのあたりのことも処方前に聞くべきです)だとか、
       大抵は同一成分でも色々な剤形(粉、錠、散、液など)が有るのですけれど、その患者さんを見て、
       剤形変更すべきケースも多いんです。  

       例えば、同じ80歳でも、いかにも嚥下障害がありそうな人もいれば、ピンピンな人もいるのです けれど、
       患者さんのそういう状態は、実際に会って色々会話してみないとわからないですから……。  
       それと、ジェネリクスが有る場合、どの会社から出ているどの薬にしたいかの意向を、
       本来はそれらの価格などを説明しつつ聞くべきで、薬局側が勝手にメーカーを決めて出すのは良くないです。
       大抵は、色々なメーカーから出ている場合に、その中でも儲かるメーカーの薬っていうのがあって、
       勝手に薬局側がそのメーカーのものを選んで出すのですけれど、これは、全く良心的でないと思います。

       場合によっては、同じ成分、薬効なのに5倍以上価格が違ったりするんです。  
       それと、場合によっては、少し認知症が入っていそうな患者さんで多剤を飲まないとダメな場合には、
       一回分ごとに、紙の袋に一包化分包してあげたりもできます。
       でも、そんなこと、儲け主義の薬局ではしてあげるはずがありません。その分、「余計な」時間と手間がかかりますから……。
       ですから、銀紙付きプラスチックケース(PTP包装)のまんま飲んで、
       消化管から出血して救急車で運ばれる患者さんが後をたたないんです。
       http://www.kokusen.go.jp/news/g_data/n-980107_3.html
       信じられませんけれど、これが現実です。なかには、大量に吐血して一時呼吸停止に陥った例もあ るそうです。
       しかも、こういう事故は、薬剤師の配慮があれば、予め防げたはずなわけです。  

       それに、歳をとってくると薬の印字はもとより、薬の色や形の区別も難しくなるのだそうです。
       同じような形の薬を何種類も出されると、我々は大丈夫ですけれど、そういう老年の患者さんには 飲み誤りのもと。
       やはり、そういう場合にも、一包化分包してあげるべきなんです。
       例えば循環器系の薬とかですと、万一、間違って同じ薬を2錠飲んでしまうようなことになると
       本当に危ないことになる薬もあるのですから……

       さらに、私はもともと大学病院の薬剤師の儲け度外視、待ち時間1時間以上が許される状況での「 ホンモノ」の仕事を
       知っているので、「本来どうあるべきか」ということについての考えを持ち合わせているがゆえに、
       そういう処方の仕方が良くないとわかるのですけれど、薬大新卒後すぐに儲け第一主義の調剤薬局などに勤めてしまうと、
       それこそ、毎日の仕事はルーチーンワークになって、そう いう不親切で良心的でない薬剤処方が
       当たり前のように思ってしまう薬剤師になってしまうと思うんです。
       ホンモノの仕事を知らないから

薬剤師A  だから、もしかすると通販メガネをやっているメガネ屋に勤めている眼鏡士も、その経営者の眼鏡士も、
       ホンモノの仕事をわかっていないから、(通販でも自分の店で売るのも大して劇的な違いがない ように思って)
       さほどの罪悪感も感じることもなく、不親切で良心的でないメガネ販売を当たり前の ようにできてしまうのかもって思います。
       薬剤師にしても眼鏡士にしても、いずれにしても、そもそも「良い仕事」たるものがどういうものかをわかっていないと
       「良い仕事」が出来ないばかりか、 無意識に、罪の意識もなく「良くない仕事」を出来るのかも知れないな、
       と思いました。  さらに、残念ながら、そういうことは、資格取得のための学校の教科書を使った勉強では習わないことで、
       卒後に良心と思いやりを持って現場に出てから、自分の感性で「わから」ないといけないことなようです。

       メガネで、枠のみ通販を漫然と行えている「鈍感」な人たちは、通販に限らず、結局、仕事の全てにおいて
       いつまでたっても仕事の本質わからないまま、
       漫然とルーチーンな仕事をすることに甘んじてしまうことになってしまうのだな、と容易に想像できます。

       協会がわざわざ字面で禁止の通達を出している通販ですら、
       その意味をわかることができずに漫然と行えている人たちなのですから。

岡本    眼科と特定のメガネ店との間 にも、一部にFAXで眼鏡処方箋を流す、というのがありました。
       (いまもそれがなされているのか どうかは知りません)  
       そのひとつの具体例が拙著『眼科処方箋百年の呪縛を解く』のP3〜4に書いてありますが、
       この例の他にもけっこう全国各地であったようです。これは関東での話ですが、大阪でも聞いたことがありました。
       ただ、いまは昔に比べると、病院の眼科はもちろんのこと、開業眼科でも、眼鏡処方箋を発行したときに
       特定の眼鏡店を強く指定する傾向は薄らいできていると思います。

       ただし、別に統計を取ったわけではなく、私の、なんとはなしの印象ですが。  

薬剤師A  岡本さんの著書『眼科処方箋百年の呪縛を解く』は、以前に拝読しており、メガネ店にもこういう関係があるのだとその時に
       知りました。 メガネ店の場合は、FAX処方箋を眼科から流すことでお客さんの側にどういうメリットがあるので しょうか?
       それが私にはいまだにわかりません。
       薬の場合のFAX処方箋のメリットは一応、2つあります。
             ・患者さんの待ち時間の短縮
             ・在庫のない薬の手配が可能
       一方で、メガネの場合には、メガネ店や眼科のキックバックや相互依存により生まれる利益以外に、
       FAX処方箋のメリットが思いつきません。
       ただ、確実に言えることは、岡本さんに以前から伺っているお話から想像される、
       並の眼科での眼鏡処方のレベルの実態からすると、
       【処方箋が眼科から送られてきて、機械的にそのままでメガネを調製してしまうメガネ店の眼鏡士さんは、
        メガネ加工業になることを業として選んでいるということな のですね。】a

       これは、FAX処方箋の字面どおりに薬を袋詰めするだけが日々の仕事となっている、営利第一の調剤薬局の薬剤師、
       いや、袋詰め係と、とても似ている状況だと思います。 薬の場合は、医薬分業にすることで、
       医師の処方が適切、的確であるかを薬剤師が独立した立場で監査することにより、無駄な投薬や、
       間違った処方を減らす目的があるわけです。
       医薬分業にすること により、そういう機会があるわけです。 実際のところ、医師は病気そのものには詳しいのですが、
       薬についてはさほど詳しくありません。特に、新しい薬に関する情報などにはとても疎いです。
       なので、どうしても、自分の少ない知識の範囲内で、薬を処方しがちです。
       なので、よりよい後発薬 品が出ていても、その存在すら知らず、いまだに10年以上前の先発品(先発品はたいていの場合、
       開発費用がかさむので高価)を漫然と処方しつづけたりするのです。
       なのに、FAX処方箋を流し、薬剤師が何も考えずにそのまま字面通りに薬を出す、というのは、
       もはや、医薬分業とは言えないと思います。これでは、物理的に病院と薬局の建物が離れているというだけです。
       しかも、皆さんもご存じだと思いますが、医薬分業としていることで、薬局でもらう薬の値段には「 服薬指導料」だとか
       「調剤基本料」だとかいう、薬剤師が関与したことで発生する調剤費用がかかっているのです。
       なのに、薬剤師がそれらの業務を放棄してただ、袋詰めをして済ませているというのは詐欺師のよう なものです。

       一方で、きちんと患者さんと向き合って話を聞いたり、カウンセリングを行って薬剤処方をする薬局もありますが、
       そういう薬局も、それをしない怠慢な薬局も、同様に調剤費用を徴収しているわけです。

       ところで、薬剤師の場合は、昔は医師が薬師だった時代があったわけで、その時代からの流れもあって、
       特に、お年寄りの患者さんには薬剤師は袋詰め業をするのが仕事だと思っている人も、実際多いようです。
       医薬分業となったことで、「診察が終わって病院の待合でそのまま待って薬をもらえるほうが便利なのに、
       なんでそれが出来なくなったのか?」という不満の声も多々耳にしました。

       その不満の声は、おそらく、医薬分業後に薬局がきちんと患者さんに、薬剤師としてすべき業、
       服薬指導や患者さんからの相談への対応業務を提供していないことから来ているのではないか、と思います。
       ただ渡すだけならば、確かに病院内処方で十分ですから。そもそも、きちんとした服薬指導や相談をやっていると、
       病院が混んで困る、というのも医薬分業に至った理由の一つなのです。
       それと、医薬分業には国全体で見ても、とても費用がかかっています。
       薬局が乱立していて、それぞれの薬局がそこそこの在庫を常に用意しておかねばなりません。
       そのような状況では、売れ残って期限が切れる薬品が大量に出ます(薬局備蓄の処分医薬品)。
       さらに、いわゆるジェネリクス医薬品をどの程度まで品揃えされるかも、薬局の長の裁量に任される わけで、
       同一の薬効の薬で様々なメーカーのものを用意する、ということは、それだけ在庫を抱えることになって、リスクがあがるわけです。
       なので、どうしても複数の会社から出ている医薬品があっても、万人受けすると思われる先発品のみを在庫で置くだけに
       とどめるという薬局が多いわけです。

       それにより、患者さんが払う薬剤費の負担増が起き、さらにそのために国の保険財政を圧迫するわけです。
       FAX処方箋は規則違反  

薬剤師A  また、そういう面だけでなく、私は、FAX処方箋による「医薬分業」がそもそも保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則に
       反していると思っています。
            (以下、法規の抜粋) 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 (昭和32年4月30日厚生省令第16号)
                   第2条の3 保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、次の各号に掲げる行為を行ってはならない 。
                        1 保険医療機関と一体的な構造とし、又は保健医療機関と一体的な経営を行うこと。
                          保険医療機関及び保険医療養担当規則 第1章 保健医療機関の療養担当
                          (特定の保険薬局への誘導の禁止)
                  第2条の52 保険医療機関は、保険医の行う処方せんの交付に関し、患者に対して特定保険薬局において
                          調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、保険薬局から金品その他の財産上の
                          利益を収受 してはならない。 (以上、法規の抜粋)

        処方せんを送付するFAXは大抵、病院内に設置してあります。  
        これは、既に、十分に保険医療機関と一体的な構造を取っているということになります。
        さらに、皆さんはご存じないかもしれませんが、特に、大病院で良く見受けられる、院外処方受付 カウンターは
        病院のものと区別できないのに、そこでの業務に携わっている人たちの給料は、
        実は、 薬剤師会からのものでまかなわれているのです。  

        要は、まさに、病院側が薬剤師会に間貸しをしているような、宿り木的な業務形態なのです。  
        その薬剤師会からの給料の出所は、もとをただすと、処方せん手数料として特定の薬局から徴収されたお金なわけです。
        これは、病院内での出張営業活動を意味します。  

        もっとわかりやすく内部事情を詳しくあばきますと、FAXの設置から人員配置(人件費)などをそれから受け取ったFAXの
        枚数に応じて折半して、各薬局から手数料を徴収しているんです。
        さらにこれに、FAXコーナーに配置した人が特定の薬局にFAX送信を誘導したりする問題が加わるわけです。
        個人経営のクリニックなどでは、ちゃんとその診療所の人件費などの経費で、そこの職員がFAX しているから
        その点では問題ないのですが、特定の保険薬局への誘導という問題はよく聞きます。

        この「FAX分業」というバカバカしい制度は、世界で見ても日本だけだそうです。  
        こういうことをしていては、折角の「お薬手帳」やそれによる薬歴管理も、全く意味をなしません 。
        っていうか、そもそも、お薬手帳やかかり付け薬局を持っているかた、日眼研の会員のかたにも、
        どれぐらいいらっしゃるのでしょうかね……?

        そもそも、薬の処方箋は、全国どこでも持って行って薬をもらうことができる、ということすら知らないかたも多いのでは、
        と思っています。 病院の近くのあちこちで薬をもらうのは、もう、やめにしませんか(*^_^*)?
        信頼できる対応をしてくれる薬剤師がいるようなかかりつけ薬局を、ぜひ、みなさんには見つけてい ただきたいと思います。

岡本      【眼鏡処方箋をFAXで指定メガネ店に送る医師の大義名分としては、「近隣のメガネ店には調製技術の低いところもある。
        そういうところへ行ってもらっては困る。その店の地図を渡しても、そこへは行かずにいい加減な技術でしか
        メガネを調製できない安売り店なんかへ行く人もいる。
        だから良い調製技術を持っている店に行ってもらうようにFAXを使っている」ということになる のでしょうが、】b
        【実際にはどこで作ろうが、あとでそれはきちんとできているかどうかのチェック能力があれば問題ないわけで、
        具合が悪ければ改善方法をその店に言えばよいわけですからこの言い訳は通用しにくいわけです。

        そのチェック能力がないから、そういう言い訳をするのだとも言えそうです。】c あるいは、FAXの先の店なら、
        1度目の処方でうまくいかなくて、眼科で再処方をしたときに、無料でレンズ換えをしてくれることになっているから
        その店へ行かせる、ということもあるでしょう。
        FAXに限らず、特定のメガネ店を指定する場合の【理由として「○ヶ月以内のレンズの入れかえは無料でやってくれる店だから」
        というのはけっこうあります。】d それから、【 】aについては、そういう人もいるでしょうし、検眼能力も十分にあって、
        ホントは 検眼から加工調製まですべてやってあげたいけれど、眼科の処方箋を持って来られると、
        それを横に置いて自店で測って、というのはあとで何かとトラブルの元になりかねない、ということで、
        もう、 面倒なことには関わりたくないということで、
        心の中で、【たとえば、「遠近両用なのに、眼科の処方箋なんか持ち込むあんたが悪いんだから」とか思って、
        処方箋に従って作る、それでうまくいかなかったら、眼科へ行ってもらっても仕方がないので、
        うちで測って無料サービスで作り直しをしてあげるか。そうすると眼科処方のレベルとウチの 処方のレベルの差も
        分かってもらえるし……というふうな対応をしている眼鏡技術者も多いと思いま す。】e

薬剤師A   薬剤師(薬局)と眼鏡士(メガネ店)の医師(病院)との関わり合いについては、共通点もとても多 く、とても興味深いテーマです。
        色々教えていただき勉強になります、ありがとうございます。
        【 】bについては、【そういう眼科の医師は、自分の眼鏡処方には自信があるということなのですか。
        もっと言うならば、メガネ店で検眼するよりも自院の検査員による検眼の方が確実なものであるという意識があるのですかね?】f

        それと、これは薬の処方箋に関してよく抱かれている誤解なのですが、薬の処方箋を患者さんが受け取った場合に、
        その薬を実際にもらう(買う)かどうかは、患者さんの自由です。例えば、
        不必要、 あるいは飲みたくない薬だと思えば、患者さんの意志であれば、処方箋を破いて捨てても、構いません。
        (薬剤師は勝手には処方内容をかえたり、破り捨てたりはできませんが……)
        面白いことに、これはとある大学病院での話なのですが、病院から院外処方箋を特定の薬局にファックスして、
        ファックスを受け取った薬局が調剤し準備して患者さんを待っていても、患者さんがその薬を受け取りに(買いに)来ない、
        というケースがごくたまにあります(^_^) そのような場合には、患者さんにはお金を払う義務もなく、
        「肩すかし」をくらった薬局側が全て「損」をかぶるわけです(^_^)
        しかし、これが「ごくたまに」で済んでいるのは、やはり、処方箋が、医者からの命令のような大きな拘束力を
        持っているかのように、患者さんには感じられるものだからかもしれませんね。
        【メガネの処方箋の場合にも、もちろん、そういう心理的効果が効いていると思います。】g
        【もっとも、メガネの場合にはメガネ店にFAXで処方箋が送られてきても、ただちに加工などにと りかかるわけでないので、
        メガネ店が損することもないわけですよね。】h
        それで、薬局と病院の場合は、メガネ処方の場合とは違って、処方しなおしなどでのキックバックなどは病院側には
        必要ないわけで、病院側としての薬局側への要求は露骨に「金」となるわけです。

        それと、病院(医師)側からすると、できることならば相手の調剤薬局は「おとなしく従順な」薬局であって欲しいと思うわけです。
        例えば、自分が切った処方箋を、くせ者薬剤師がいるような薬局に持ち込まれると、処方箋一枚一枚 をチェックし、
        疑義照会が自分にしょっちゅう飛んで来ることになるわけです。
        ……そういう面倒な ことは、避けたい。となったときに、「おとなしい」営利重視の薬局は、とても好都合なわけです。
        内々で、ナーナーでお茶を濁して穏便に済ませておきたいというような心理です。
        【眼科がメガネの処方箋を切る場合には、眼科医のそういう心理は働かないものなのでしょうかね? 】i
        【 】cについては、なるほど、これも本質を射ていそうですね。

        薬の処方の場合は、患者さんが手にする薬そのものは棚から取り出してきて正確に袋詰めするだけのことですので、
        処方箋通りにちゃんとできているかどうか、のチェックは患者さんでもチェックできるものです。
        そして、それが間違っていた場合の責任は、薬局にあることは明々白々です。
        しかも、処方の当事者である医者でも薬剤師でもない、第三者である本人がチェックできるわけです 。
        メガネの場合は、この点が難しいですね。
        患者さんが訴えてくるのは、正確かどうか、ではなく「見えづらい」などの愁訴なわけで、原因がど こにあるかや、
        その責任の所在もあいまいになりがちな要素満載ですね。 その場合に、眼科医における処方に問題があるのか、
        あるいはそれ以降のメガネ店での加工などのプロセスに問題があるのか、あるいは双方なのか、をきちんと
        突き止めるのは容易でなさそうです。

        しかも、そのチェックをするのも、患者さんではなく、メガネづくりに携わった当事者らとなるわけで、そのような状況で、
        自分の非を積極的に認めることはしにくいですよね。
        そう考えると、メガネ店と眼科との相互依存の関係は、何か不都合を訴えられた時の責任のありかを
        やんわりぼやかすために存在しているとも言えそうです。
        メガネ店側も、メガネ店で処方・調製した場合には、責任のありかは明白なのでより慎重に、力が入りそうですが、
        【提携眼科からの処方箋だったら、責任のありかをぼやかすことができるので、知らず知らず無意識のうちに幾分適当、
        無責任に対応してしまいそうな気がするのですが……(あくまで 、私が眼鏡士だったらの想像です (*^_^*))】j
        それから【 】dですが、これも、眼科にとっての広義の「キックバック」ですね。
        また、【 】eは、なるほど。薬剤師も合法的にこういう対応ができれば、よいのですけどねぇ…… (*^_^*)



                 
眼科と眼鏡店の関係の始まりは?

薬剤師A   それと、以前からの疑問なのですが、【そもそも、眼科と提携メガネ店の関係はどのようにして築かれていくのですか?
        眼科側にそうなって欲しいと頼まれるのか、それとも、メガネ店側から営業活動 をして頼みに行くのか、どちらなのでしょうか?
        いまいち、その辺の力関係の構図がわからないままなのです。】k  
        調剤薬局と病院の場合は、ほぼ100%、薬局側から病院にお願いの営業をしに行く形です。
         これは、調剤薬局と病院の場合は構図がはっきりしていて、調剤薬局は処方箋で食べていけているわけで、
        それを失うと潰れてしまいかねません。 

        一方で病院側は、調剤そのもので広義の「キックバック」のようなものを受けることはないので、特に、私立の病院になると、
        見返りは「金」などに 関連することになるわけです。  
        病院長や幹部への接待や金品の授与は、日常茶飯事です。
        いわば、調剤薬局が病院に宿り木のように依存しているというわかりやすい構図を取っているわけです。

        一方で、メガネの処方の場合における、眼科と提携メガネ店の関係の場合は、岡本さんが上で述べ られていたように、
        双方に依存していることが十分見て取れますし、
        メガネ店の場合は、処方箋に頼らなくても自分のお店で自ら処方することもできますから、
        【実は、眼科側がメガネ店に依存しているというケースが結構多いのではないか、とも思うのですが……】l

        調剤薬局と病院の場合は、ほぼ100%、薬局側から病院にお願いの営業をしに行く形です。
        これは、調剤薬局と病院の場合は構図がはっきりしていて、調剤薬局は処方箋で食べていけているわけで、
        それを失うと潰れてしまいかねません。 
        一方で病院側は、調剤そのもので広義の「キックバック」のようなものを受けることはないので、特に、私立の病院になると、
        見返りは「金」などに関連することになるわけです。

        病院長や幹部への接待や金品の授与は、日常茶飯事です。
        いわば、調剤薬局が病院に宿り木のように依存しているというわかりやすい構図を取っているわけです。
        一方で、メガネの処方の場合における、眼科と提携メガネ店の関係の場合は、岡本さんが上で述べられていたように、
        双方に依存していることが十分見て取れますし、メガネ店の場合は、処方箋に頼らなくても自分のお店で自ら処方することも
        できますから、【実は、眼科側がメガネ店に依存しているというケースが結構多いのではないか、とも思うのですが……】l

岡本     昨日通販の件で公開質問をした飯塚の「メガネのサトー」なんて、店のHPを見ると、地域に愛され80年、
        という老舗で社会福祉にも貢献していて、なんか、地元の優等生、良心的な模範店、みたいな感じですが、
        それが最近通販を手がけたのですから、これはよほど不景気が骨身にしみてきたということなのでしょう。
        たしかに、いま、全国的にすごい落ち込みようです。当店も、2009年は前年比ダウンでした。
        しかし、眼鏡士なら「武士は食わねど高楊枝」の姿勢をくずすべきではありません。

        【通販に踏み切った老舗、というのは、もはや長年にわたって築いていた信用がどうとか言ってられない、
        背に腹は換えられぬ、ということでしょうが、それならまず、眼鏡士の資格を返上して単なるメガネ屋になってから、
        通販に踏み切ってほしかったと思います。】m

        そして【 】fについては、そんなことを思ってる眼科はごく少ないでしょう。だから、自院の処方箋をきちんと活かすウンヌンは
        言い訳に過ぎないわけです。
        【 】gについては、【ただ、患者が求めてもいないのに眼科の方の「オススメ」で処方箋が発行された場合などは、
        無視されることもあるようです。
        もちろんですが、そういう処方箋には、指定先の店がきっちりと書かれています。
        あるいは、その店は眼科の隣にある店だったりします。】n

        【 】hについては、枠が決まっていないのですから、直ちに製作に、ということは無理です。
        レンズだけを取り寄せる、ということもしません。度数は同じでも種類がいろいろありますから。
        【 】iについては、【メガネの場合には、眼科の処方箋の内容に疑義紹介をする店はめったにないので、
        うるさいことを言わないから指定店を作るということはまずありません。】o 
        多いのは、やはり、いわゆるキックバックの関係でしょうし、そこまでいかなくても、無料作り直しという安心感で
        指定店を作るということでしょう。

        【 】jについては、というよりも、【そこと懇意にしていて眼鏡処方がヘタだとわかっている眼科の処方でも、商売商売で、
        とりあえずはそのままで作っちゃえ、あと、何かあれば、またそのときに何らかの対応をすればいいさ、ということでしょう。】p

        それと、中には、処方通り作ってダメな場合には今度は自店で測って無料でレンズ入れ替えをしてもよい、というような合意が
        できている「眼科と指定店」の組み合わせも、中にはあるかもしれません……けれども、少ないと思います。
        【 】kについては、眼科が新規に開業したら、たいていは近隣のメガネ屋が挨拶に行き、そこで指定の条件とかが
        話し合われるようです。【その場合、ましな眼科だと、おたくには眼鏡士がいるの?とか聞くこともあるかもしれませんが、
        そういうことよりも、眼科からは、もっと実利的な発想で指定店を選ぶケースが多いようで、キックバックなしでも、
        最低限「○か月以内であれば無料でレンズ入れ替え」という条件を呑まないと指定をもらえないようです。
        そうでないと眼科にとって指定のメリットが何もないことになりますから。】q

        また、中には加工や調整の技術を眼科が評価して、それだけの理由で指定しているということも、あるのかもしえません。
        それと、たとえば、網膜疾患に対応するレンズをときどき処方する眼科だと、少なくともそのときだけは、
        それに慣れている店を指定するとか、他にもロービジョンだとか、フレネル膜だとか、そういう方面のことで店を
        指定することもあるようですが、それはむしろ、指定の関係ができてから店の方で対応できるようにするケースが
        多いのではないかと思います。

        また、メガネ店の人間に検査の手伝いをタダでやってもらって、そのかわりにその人が眼鏡処方をしたときには、
        その店を紹介することを容認する、ということをしている眼科もあります。

        【 】lについては、そういうこともあるかもしれませんが、ただ、眼科の併設メガネ店以外でも、大学病院のすぐそばにある
        メガネ店や地域で10軒前後の眼科から指定をもらっている店などでは、眼科処方から見放されると経営が難しくなるので、
        メガネ店が眼科に依存、ということでしょうね。


                       
こういう行為は違法ですか

岡本     ひとつお尋ねしたいのですが、医療機関で処方箋を患者さんに渡すときに、下記の行為は、法律的に、
        あるいは行政の判断として、○か△か×か、ということを教えてくださいませんでしょうか。
            A(  )患者から尋ねられていないのに、特定の薬局の名前や場所を1カ所だけ告げる。
            B(  )患者から尋ねられていないのに、特定の薬局の名前や場所を2箇所以上告げる。
            C(  )患者から尋ねられた場合に、一カ所だけ、特定の薬局の名前や場所を教える。
            D(  )上のCと同様だが「どこでもいいのですけど」と言ってから1カ所だけ教える。
            E(  )患者から尋ねられた場合に、2カ所以上の、特定の薬局の名前や場所を教える。
            F(  )上のEと同様だが、「どこでもいいのですけど」と言ってから2カ所以上教える。
            G(  )患者から尋ねられたのに、特定の薬局の名前も場所も一切言わないで、単に「薬剤師のいる調剤薬局で」とだけ言う。

                   ++++++++++++++++
        私の予想を書きますと、
        A ×   B ×   C △   D △   E △   F ○   G △   となります。

                                     ○

薬剤師A  個々のお店にとっては、不況による経営上の「致し方ない」事情もあるのですね。
        でも、不景気は全お店がおかれている状況ですから、それを理由に、自店の売り上げさえよければ的な考えで
        通販に手を出すという考えには同調できません。
        「武士は食わねど高楊枝」は、全く、おっしゃる通りだと思います。

        【 】mについても、そうですよね。 堂々とトップページで認定眼鏡士であることをウリにしながら、
        かたや通販を手がけるメガネ店は根性無しだと思います。利用できるものならば、このさい何でも利用してしまえ、
        という根性が見え見えです。
        【 】nについては、【えっ!患者さんが求めてもいないのに、眼科側がおしきせがましく、「オススメ」の処方箋を
        発行したりするケースもあるのですか!もちろん、眼鏡処方箋を切るのは患者側の負担はゼロなのでしょうけれど、
        これはさすがに、眼科側の思惑が丸見えですね。】r

        私からすると、この行為が眼科の営業行為でないかどうかは微妙だと思います。
        厳密に言うと、医療機関が(禁じられているはずの)「営業活動」をしていないとも言えなくない行為ですよね。
        【 】oについては、なるほど、そうするとこの辺りは薬とは事情が異なりますね。

        私はそもそも、眼科側がなぜ、安心感を求めるのかもわかりません。

        当たり前ですが、薬の場合だと、患者さんに不具合を訴えられたら、よくあるパターンでは「そうですか……。
        あの時はこれがベストだと思ったのですが、じゃ、薬を変えてみましょう」と医師が言ってそういう処方変更が行われるわけです。
        もちろん、その変更前の具合の悪い薬代も全額患者持ちですし、変更後の薬代も全額患者持ちです。
        さらに、それで文句を言ってこられる患者さんは、ほとんどいないと思いますし、少なくとも私は遭遇したことがありません。
        しかも、薬の値段には関係ありません。たとえ、高額な薬の場合でもそうです。
        そもそも、患者さんも、そういうものだと思っていると思います。

        なので、薬に関しては、医師が処方に対する安心感なんて求めたくなる必然性もないわけです。
        なのに、なぜ、メガネの処方にはそのような安心感が必要なのでしょうか?
        そもそも眼科医が眼鏡処方を不安に思う要素はどこにあるのでしょうか?

        【患者さんが不具合を訴えてきた場合に、医師が毅然とした対応を取れない理由がどこにあるのでしょうか。】s
        たとえば、メガネの場合にも薬と同じように「そうですか……。あの時はこれがベストだと思ったのですが、じゃ、
        少し度を変えてみましょう」と医師が言い、当たり前のように費用を患者さんの負担とできない理由はどこにあるのでしょうか?

        【 】pについては、なるほど、確かにそうですね。これは、盲点でした(^_^)【 】qについては、【薬局と病院の関係でよくあるような
        個人的な接待や金品などの利益の享受の関係よりも、メガネ屋と眼科の関係はそのような眼鏡処方業務上の実利目的の
        関係ということなのですね。】t

        そして、眼科との依存関係は、個々のメガネ店のタイプというか、店主の経営方針に依るということですね。
        それで、最後に挙げていただいた「薬局の紹介方法」なのですが、実は、この辺りが法的にはきちんと明文化されてはいなく、
        しょっちゅう揉めていることなのです。

        なので、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則を厳密に解釈した場合、かつ、薬剤師会の見解としてのジャッジをお示します。
              A(×) そもそもこれは、明らかに法律(保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則)違反です。
                  「特定の保険薬局への誘導の禁止」に反します。
                  保険医療機関及び保険医療養担当規則第2条の5(特定の保険薬局への誘導の禁止)・ 保険医療機関は、
                  当該保険医療機関において健康保険の診療に従事している保険医の行う処方せんの交付に関し、
                  患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行ってはならない。
              B(×) 積極的指示を行ってはいけません。なので、FAXの場合も、患者からの要望がないかぎりは、
                   勝手にどこの薬局にFAXを流すかの提案はしてはなりません。
 
              C(×)
              D(×) これらは上の「特定の保険薬局」という部分に抵触します。
              E(△)
             F(△) この場合に、最寄りの保険薬局の全てをリスト(あるいは地図)にして示した紙のようなものを
                   患者に見せるのが正式なやりかたです。
                   最寄り、とはこの場合はその病院から一定距離内にある薬局全て漏らさず、という意味です。
              G(△) これは、法的には全く問題がありませんが、患者に不親切だからということでの△です。

              なので、この場合は、上に書いたようなやりかたで、最寄りの薬局全てを見せてあげる方法をとるべきです。
              【あくまで、選ぶのは患者でなければならないということです。
              たとえ、1カ所への限定ではなくても、薬剤師はいかなる絞り込みもしてはなりません。
              絞り込みができるのは、距離などの絶対的なパラメーターによってのみです。】u
              本来あるべき姿、おわかりいただけましたでしょうか?

  
                  
眼鏡屋で測ってもらったら良かった

岡本      【 】rについては、前に眼科医から解雇された併設眼鏡店の店長だったAさんが、会誌79号のP139で、
         それらしきことを書いておられます。

         【 】sについては、
         【理由1)患者さんとしては、「メガネ屋で測ってもらって作ったメガネなら、見え方がいまいちで再処方の場合には、
               たいていはタダでやり直してくれるのに、眼科処方の場合はそうはいかないのか」と不満を持ちがちなので、
               そう思われては眼科の人気が落ちる。でも、自分で弁償する気はない。ゆえにレンズをサービスするメガネ屋を勧める。
         理由2)薬は少なくとも飲んでしまった分の返品や取り替えはきかないけれど、メガネはまったく「消費」していないので、そこが薬と違う。
         理由3)メガネはほとんど保険が利かないし、1回あたりの単価が高いので、ウン万円出して作った一つのメガネが使えない、
              となると、患者の負担や不満が大きい。】v(一式5000円とかで作ったメガネなら患者もあきらめてしまうでしょうけれど)

          まあ、こんなことでしょうか。
         【そもそも、調節まひ剤を使用しない眼鏡処方は眼科でする必然性がないのですから、眼科での眼鏡処方をやめれば、
         万事解決するわけです。これは『眼科処方箋百年の呪縛を解く』や「ユーザー本位の眼鏡処方を推進する会」のメイン主張です。】w
         【 】tについては、もちろん、【いろんな「接待」や「便宜提供」などのいわゆる供応を、指定眼鏡店から受ける眼科も少なくないと思います。
         眼科医が「海外へ視察に行きたい」と言ったらその費用を指定メガネ店が持つ、ゴルフにもしょっちゅう店主がおともをして
         その費用は店主持ち、という話も聞いたことがあります。】x

         【 】uについては、これを眼科の眼鏡処方箋に適用すると、「違反」の眼科が実に多いようです。
         それで、【なぜ「違反している」眼科がそんなに多いのか、というと、一つには、処方箋を受ける方に公的資格の身分がないから、
         ということと、特殊なメガネの場合には、どこでも作れるわけではないので、指定せざるを得ないこともある、ということでしょう。】y

         でも、【眼科で処方されるメガネのうち、少なく見ても8〜9割のメガネは特定のメガネ店でなくてもよさそうですので
         処方箋を渡すときに、口頭であれ、印刷物であれ、原則としてメガネ店を指定(あるいは紹介)する、
         というのはやはりタチの悪い眼科だと言うほかはないでしょう。】z

薬剤師A    会誌79号の記事を今一度しっかりと読み直しました。
         なるほど、眼科医が切った処方箋で結局メガネ作成には至らなくても、
         さらに、そもそも眼鏡処方箋発行で付随する検査点数で儲けることができていたわけなのですね。
         それと、【 】vの「理由1」については、これは、眼科は「人気」を気にしていて、
         いわば、患者の顔色をうかがっているということなのですね。
         それでしたら、そこまでのリスクを負ってまでわざわざ無理して眼鏡処方をしなければ、良いのに……
         眼鏡処方をしないからといって、不満を持たれたり人気が落ちることはないと思います。
         むしろ、そのほかの専門の診療の領域で「人気」を得られるように努力するべきだと思いますよね。

         それと、眼鏡処方に限らず、私が日頃から思っているのは、自分で最後まで責任を持ってできもしないくせに
         自分の仕事の範囲をむやみに広くとろうとする人間や、専門外の不得意な分野のことでも適当に堂々と仕事をやってしまおう
         とする人間が多いということです。
         何でもかんでも自分でやろうとしなくても、自分の専門外で不得意なことにはあえて自分は手出しをしない、
         ということも、責任ある行動だと私は思うのですが……。

         そして、「理由2」も、確かにこれは、ありそうです。
         次の「理由3」については、私は、この、一回あたりの単価が高いということは、さほど大きなファクターではない気がしています。
         といいますのも、薬でも、保険適用外の新薬などで、一処方数万円のものもザラにあります。
         特に、抗ガン剤の分野ではそのような薬がとても多いです。一回の点滴に10万円、という薬もあります。
         でも、患者さんは、医師の処方にしたがってその薬の投与を受けたにも関わらず、効果を得られなかった場合でも
         不満を訴えて来ることは、あまりないようです。

         それから【 】wについては、今回、改めてそのご主張に全面的に同意いたします。
         そして、【 】xについては、そういうことを平気でされる医者らの基本的倫理・道徳はどこにいっちゃっているのでしょうかね。
         お話を伺っただけで、そういう医師がイヤになります。

         【 】yについては、そうだとしても、例えば、眼科のからの距離が○キロ以内で眼鏡士がいるメガネ屋を全て患者さんに提示し、
         それらのどこに行くかは患者さんに選ばせる、などの方法もあるはずです。

         【 】zについては、はい。とてもタチが悪い眼科であると思います。
         そもそも、そのような状態では、医販分業を遵守しているとは言い難いと思います。
         たくさんのご解説、ありがとうございました。今回、岡本さんとお話してさらにコトの真相が良くわかりました。*