東京都港区・梶田眼科様 梶田雅義様

                          2010.7.27     ユーザー本位の眼鏡処方を推進する会   岡本隆博

     貴殿の発行された眼鏡処方箋について、 おたずねします。 あるメガネ店へお客様が持ち込まれた 
     貴院発行の遠近累進メガネの処方箋には、 遠用度数と加入度の他に、 
     テストレンズの銘柄名と累進部の長さが明記してあったそうです。 そこで質問させていただきます。 

   (1)これは、その銘柄でその累進部の長さのものを使って 遠近累進メガネを作りなさいということでしょうか。 
      そうであれば、そのメーカーのレンズを扱っていない店では その処方箋に従ったメガネは
      調製できないことになりますが、 それでよいわけでしょうか。 

   (2)それとも、あくまでも、それは参考情報であり、 違う累進部の長さのものでも、
      その累進部の長さの差に見合う 加入度の差を補正した累進レンズであれば、
      そういう累進レンズ でメガネを調製してもよいということでしょうか。 

   (3)上記、いずれにしても、下記のことが不明なので、 それであれば、指定のとおりのレンズを使っても 
      目的の矯正効果が得られるどうかは、わからないのですが。
        a.眼科で装用テストに使われた累進レンズの 角膜頂点間距離は、
          正確に12mmになっていたのでしょうか。 
          貴院の装用テストでは、三重または4重の仮枠の、
          どのポケットに累進レンズを入れておられるので しょうか。 
          もしも、累進レンズを仮枠の前方のポケットに入れられたのであれば、
           メガネで実際に入れる加入度は、装用テストに使った加入度よりも
           やや強めの加入度を必要とするのですが・・・ 

       b.テストレンズの前傾角 テストレンズを入れる仮枠は、通常のメガネよりも、
         前傾角は 少な目のものが多いのですが、処方のときの 前傾角と実際のメガネの前傾角が違いますと、 
         見え方や加入度の効果も変わってくるわけですが。 

       c.アイポイントの設定位置 装用テストのときに、累進レンズの遠用十字のポイントを
         遠見視線の高さに合わせてその度数、その見え方でよいと 決められたのか、
         あるいはその高さとは違う高さに 遠用十字のポイントを持ってこられたのか、 そこがわかりません。 

    (4)ですので、眼鏡技術者としては、貴院のような遠近累進の 処方はかえってやりにくく、
       そういう表記よりも、 単に遠用度数と近用度数を書いてある方が、こちらで各店で 
       よく用いる累進レンズのテストレンズを用いて装用テストをして 
       具合の良さそうな累進部の長さのレンズを選べるという点で ベターかと思いますがいかがでしょうか。
        (その場合には、処方箋に「累進部はメガネ店で装用テストをして 
         良さそうな長さのものを選んでください」と書いておけばよいわけです)

    (5)それよりも、我々の主張のように、眼科からは 完全矯正値や、調節力などの基礎データを示していただき、
       それを元に我々が調製度数を決める という方が責任の一元化がなされて、さらに良いとおもいますが、
        いかがでしょうか。 

    (6)医師の責任の元に発行された眼鏡処方箋、という言葉がありますが 
       貴院の処方箋の通りにメガネを作ってうまくいかない場合には 誰がどう責任をとるのでしょうか。 
       それとも、眼科では処方をしたことにより、すでに 医師としての加療責任を果たしたのであり、
       結果責任まで 負うものではないということでしょうか。